J2新潟 球引き出す体の向きが良かった矢村V弾
【元アルビ・梅山チェック 8日新潟4―3東京V】新潟が首位に立った。前半で3―0としながら、後半に一度追いつかれるという珍しい展開を終了間際、矢村の一撃で制した。
前半は相手のプレッシャーを受けて何度かパスミスからショートカウンターを受けたが、守備時に2トップになる相手FWの間にボランチの一人が立ち、それを閉じた2トップの横のスペースで高木やもう一人のボランチが立つ。4―3―3のようなポジションで受けることで、徐々に前から来る相手の動きに対応していった。
前半の3点のうち、1点目はボールを縦横に意図して動かし、相手に触らせずにパスを12本つないで最後は高木が決めた。2点目はルーズボールの回収から、この日2アシストの松田が蹴り込んだ。そして3点目はデザインされたCKからのもの。全てが新潟が意図する得点のモデルと言ってもいいだろう。
ただ後半、4人同時に変えてきた影響もあってか、攻撃的になった相手の勢いに押し込まれた。これはサイドの守備の甘さ、具体的にはアプローチが緩くなっていたことが要因で、少し時間はかかったものの高を投入したり、伊藤、本間、矢村といった前線の選手を投入し原因にアプローチすることで改善を図ることに成功した。
そして43分。決勝点となった矢村のシュートは美しかった。彼がフリーでシュートを打てたのは、そのボールを受ける準備が良かったからだ。後ろからのパスを引き出す際に、体は行きたい方向(ゴール)と来る方向(島田)が同一視できる向きをつくれていて、しかも最初のタッチでボールをゴール方向にコントロールした。前を向かれた相手のDFはこの時、ラインをそろえて下がらざるを得ず、バイタルエリアでよりフリーになることができたのだ。チームを救った一撃は、その前にボールを引き出すための素晴らしい動きがあった。
ここ8試合負けなしの新潟だが、全ての試合、もしくは90分を常に自分たちが優位に進めてきたわけではない。この日も3点のリードを追いつかれ、ピッチの中で動揺があったことは否めない。それでも結果的にしぶとく勝ち点を積み上げていくのが強いチームであり、J2では今の新潟がそれであると感じさせる。
●スポニチ
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