J2新潟 引いて守る相手には“斜め”と“背後”が有効
【元アルビ・梅山チェック 23日新潟2―1長崎】12位の長崎をホームに迎えた6位の新潟が2―1で勝利。順位こそ離れて見えるが、勝ち点では2しか違わず、勝敗次第で順位が入れ替わる重要な一戦だった。
長崎は4人のDFと4人のMF、そして並列する2人のFWという4―4―2。同じ4―4―2でも前からプレッシャーをかけてくる相手に対しては、丁寧にかいくぐりながらシュートまで持っていける新潟だが、この日の長崎は自陣に構える形で強固なブロックを形成した。そのため、平均支配率は67%というサッカーでは異常に高い数値を誇ったが、決定的なシーンをつくれていたのはむしろカウンターを狙っていた長崎。ボール保持率イコール試合の優位性ではないことを我々に教示するような展開だった。
引いて構えてカウンターを狙うチームを攻略するのに有効なプレーのキーワードは、縦と横ではなく“斜め”と“背後”。これをチームとしていつ、どこから、どのタイミングで狙うのか共有することがポイントになるが、新潟は後半にそれができていた。
また、試合を大きく決定づけたポイントは、先制されてから5分後という短い時間にCKで同点にできたこと。引いて守る相手に対して、リードされた時間が長ければ長いほど守備は堅くなり、試合は難しくなっていく。さらにその3分後には谷口のパスカットから高木―本間とつなぎ、最後は高木の決勝ゴール。得点直後の失点で、相手の規律に乱れが見えた時間と同時間帯の本間の投入も非常に効果的だった。90分間のゲームデザイン、ベンチワークも光った。
今後は、昇降格を意識して守備的で手堅い試合をするチームの増加が予想される。相手のいる競技では、思うようにいかない状況が試合の中でも、シーズンの途中でも必ずある。しかしセットプレーと機を逃さないチームマネジメントを備えたチームならば、勝ち続けることも可能である。
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