J2新潟 相手ゴールに迫り続けたプロセスは次節以降に希望
【元アルビ・梅山チェック 3日新潟0―1大分】ボール保持率がリーグ1位と2位の対決。ボールは1つしかないので、当然どちらかが保持し、どちらかがそれを奪おうとする構図になるが、これまでも新潟が相手に譲るという試合はなく、この日も保持する時間が長かった。
ただ、この試合に限っては新潟が保持した、というよりも前に運ばせてもらえなかった、という状況だった。特に前半は。要因は大分の前線の守備ブロックが非常に組織されていたから。ハーフウエーよりやや新潟陣内から3人のFWが新潟の4人のDFに規制をかけ、その隙間を通してボランチやSHに出そうとするパスには4人のMFが鋭く狙っていたためだ。
それでも前半だけで6本のシュートを打てていたのは、奪って素早く背後を突く意識がとても高かったからだ。その兆候は後半18分に、3人を一気に代えたあたりからより顕著になった。右に松田、左に小見、そしてボランチに秋山を投入したことでチームはより背後への意識が高まり、スルーパスが圧倒的に増加。最終的にはシュート数も大分の9本を大きく上回る14本を打っている。
相手の前線からの守備強度が少し弱くなってきたところを、機を逃さず打って出て、実際に攻撃を加速させたベンチワーク。そして期待に応えた選手たちのスピーディーで意図を持った攻撃は見事だった。
新潟にとって勝ち点を積めなかったのは残念だが、ボール保持率やシュート数など得点以外のデータや、実際に後半はほとんどの時間を相手陣内でプレーしていたように、悲観する内容ではない。もちろん結果が大事であることに異論はないが、負けている終盤にアバウトにゴール前に放り込むのではなく、最後までボールに意思を込めて相手ゴールに迫り続けたプロセスは、次節以降に希望を感じさせる内容であった。
●スポニチ
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