J2新潟 先制された後のモビリティーは見事 相手のシステム変更への対応が敗因
【元アルビ・梅山チェック 24日新潟2―3岡山】
首位新潟が5位岡山をホームに迎えた一戦。この日のスタメンは前節と同じだったものの、メンバーが変わってもボールを保持しながら前進するという戦い方を常に高いクオリティで実践できる新潟と、いくつかのシステム、戦術を試合の状況によって変化させることができる岡山の対戦。
この試合の注目ポイントは2つあった。一つは、新潟のビルドアップに対して、岡山がどの位置からどのようにプレッシャーをかけるのか。もう一つは、岡山の攻撃の起点となる長身CFへのボールに対し、新潟がどのように対応するのか。
前者では、二人の前線の選手と両サイドMFを中心に、前線からサイドに誘導するプレッシャーをかけてきた。待ち構える相手よりも前に奪いに出てくる相手の方が、ビルドアップを得意とする新潟にとっては望むところと思われたが、前半15分くらいまでは押し込まれる展開となった。
後者は、岡山がこれまでほどCFに長いボールを入れて来なかったことと、64%のボール保持と攻から守の切り替えの速さで対応できていた。
しかし、先制点のシーンはこの両者がネガティブに合致してしまった。相手のプレッシャー回避のためにGK小島がロングボールで跳ね返したボールをインターセプトされた流れからのスローイン。警戒していたCFのポストプレー、そのパスを受けた逆SHに中央からミドルシュートを決められた。
ただ、そこからエリアもスコアも逆転して見せた新潟の前半は見事だった。リードされても全く慌てるそぶりはなく、相手を見ながら横に縦にボールを動かす。鈴木が下りてつくったスペースに高木が飛び出すなど、ボールに関与する選手の安定性と、ボールを持っていない選手の相手のライン間や背後へのランニングというチームの一体的なモビリティは自信と確信にあふれていた。
しかし、後半に痛恨の2失点。敗因を上げるとすれば、相手のシステム変更に対応しきれなかったことだろう。岡山は後半開始と同時に4―2―3―1から3―1―4―2に変え、前線の人数を増やしワイドアタッカーを配置。前線に幅と厚みを持たせ、そして配球元を明確にしてきた。新潟はその対応に後手を踏んだ格好となった。
敗戦から学ぶものは少なくない。学ぶといっても何かを変えるだけが学びではなく、「貫く」「継続する」も学びからの実践の形である。何を学んだかについては次節、リーグ戦直近10試合負けなしの長崎戦で見られるだろう。
●スポニチ
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