J2新潟 敗戦の中に見た“ゴール前の質とアイディア”

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J2新潟 敗戦の中に見た“ゴール前の質とアイディア”

【元アルビ・梅山チェック 6日新潟1―2千葉】
ボールを保持しながら攻め込む新潟と、4―4―2のブロックを敷いて自陣で構える千葉という予想通りの構図となった。意外だったのは、2人の相手FWがハーフウエーラインよりも5メートルも低い位置を取ったこと。それまでの試合では積極的に前線からプレッシャーをかけていた千葉が、ボール保持を強みとする新潟との消耗戦を避け、積極的にはボールを奪いに出なかった。

ここで試合前に千葉の尹晶煥ユンジョンファン監督が「勝ち点3の試合ではない」と言った意味、すなわち、手堅く守ってここ数試合好調のセットプレーで勝機を見いだすという戦い方がピッチ上で明確に示された。実際に2得点はFKとCKのセットプレーからで、千葉としては完全に理想通りの試合だったと言えるだろう。

ただ敗れたとはいえ、新潟の目的(DFラインの背後、ゴール)を意識したポジショニングとボールの動かし方は高いレベルで安定していた。具体的には相手DFとMFのライン間のスペースで鈴木や高木、本間らが縦パスを受けようとすることで構えた相手を引き出し、その背後やサイドへ3人目が侵入しようとする意図は見て取れた。

保持率72%、シュート13本、パス成功率90%という数字は圧倒的にボールを保持したことを裏付けているが、それ自体を目的としているのではないことは、構えた相手に果敢に侵入を試みたところに感じることができた。後半18分に中央で本間からのパスを受けた高木から鈴木へと渡ってゴールを決めたかに見えたシーンは、鈴木がオフサイドポジションだったために、アドバンテージで流していた高木へのファウルを取り幻となった。だが、途中出場の伊藤や谷口も狭いエリアで意図的なパスと動きから、得点の可能性を感じさせていた。

1―2という結果は残念だが、敗戦=悪というレッテルを貼って振り返るのではなく、何ができて何ができなかったか冷静に振り返れば、攻でも守でも流れでもセットプレーでも共通するテーマは“ゴール前の質とアイデア”(チームとしての引き出し)を磨いていくことに集約されるだろう。チームのスタイルや方向性という立ち返る場所があるチームはそう簡単に崩れない。

●スポニチ

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