J2新潟 やり方貫くか柔軟に変化か勝利へ問われる選択肢

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J2新潟 やり方貫くか柔軟に変化か勝利へ問われる選択肢

【元アルビ・梅山チェック 6日新潟2―2徳島】どちらも平均60%近いボール保持率を誇り、アクチュアルプレーイングタイム(試合開始から終了まで実際にプレーされた時間)の長さがリーグ1位(新潟)と3位(徳島)という、サッカーをボールとともにプレーするスタイル同士の対戦だった。

この試合では徳島が自分たちのスタイルの象徴でもあった4―3―3ではなく、最終ラインに5人を並べる5―2―1―2というシステムに変更して臨んできた。徳島は今季4―3―3以外はやっていないので、打倒新潟に特化した戦術と言っていいだろう。

実際に新潟は徳島の前線の3人から始まる守備によって、攻撃の起点となるCBやボランチを中心としたパスの配球元に圧をかけられた。何とか前進しても5人が並ぶ最終ラインを突破することはできず、その打開策も見つからないまま60分が過ぎてしまった。

しかし後半も25分を過ぎたあたりから、徳島の疲労と選手交代によって前線の守備の強度が弱くなったことと、新潟が両SHと両ボランチを立て続けに2枚替えたことによってリズムを取り戻し、33分に藤原、40分に堀米とわずか8分で同点にした。この気迫あふれる同点劇は、ホームのサポーターとの一体感も要因になっていると言ってもいい。

特に、人数をかけてボールを動かし右サイドに相手を集結させておいて、秋山がインスイングで逆サイドからゴール前に猛然と走り込んできた堀米に合わせた2点目のゴールは素晴らしかった。“引いて守る相手からゴールを奪うお手本”のような形で海外でもよく見られる、相手が分かっていたとしても絶対に得点できるパターンの一つだ。

リーグ終盤に向けて、分析と対策が互いにより深化していく中でも勝ち続けるために、大別すると2つの選択肢がある。一つは自分たちの技術的な質やプレー(判断と実行)スピードを上げる努力によって相手を上回っていくこと、つまりやり方は変えないこと。もう一つは、この日の徳島のように相手によってシステムなどに選択肢を持つこと、つまりやり方を柔軟に変えていくこと。これはどちらがいい悪いではなく、どちらが目的を達成する確率が高いのか、チーム哲学の問題と言えるだろう。成長し続けるチームの今後の戦いに大いに注目したい。

●スポニチ

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