J2新潟 お互いの得意なプレー引き出す連係力が得点につながった

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J2新潟 お互いの得意なプレー引き出す連係力が得点につながった

【元アルビ・梅山チェック 27日新潟2―0岩手】
戦前の予想どおり新潟がボールを握り、岩手がカウンターを狙う構図。しかし内容的には、どちらもこれまでのスタイルをブラッシュアップしてきていて紙一重の戦いだった。

特に岩手は単に待ち構えるのではなく前線の3人が連動して、新潟のビルドアップを本間のいる左から藤原、松田のいる右サイドに誘導し、そこからの縦パスを狙う守備が周到に準備されていた。実際に相手の意図する形でボールを奪われ、カウンターから決定的なピンチも招いた。これは攻撃の52%が新潟の右サイドであったというデータがその狙いを裏付けている。

一方、新潟に見られたトライは、相手を押し込んだ状態でもくさびを打ち込んだり、背後に長いボールを配給したり、縦のボールを多用していたこと。それにはボールを失うリスクを伴うが、高、島田のダブルボランチを中心にルーズボールの回収まで準備されていた。

前半終了間際に生まれた先制点は、伊藤のスルーパスに松田が抜け出して決めたもの。どちらかというと岩手のプレッシャーに苦しんでいた印象の新潟を2人のひらめきが救った。体をオープンに開いて右サイドに運ぶと見せかけて最終ラインに5人並ぶ相手を横にスライドさせてできた一瞬の隙間にスルーパスを一閃(いっせん)。相手の虚を突くプレーを得意とする伊藤と背後に抜け出すプレーが得意な松田。両者がお互いの特徴をよく理解しあっていることが伝わるシーンだった。

後半43分の三戸のゴールも、ドリブルを開始した時に近くにいた谷口、高木、本間がそれぞれ三戸から離れる動きで相手を引き連れ、ドリブルのスペースを提供している。これもチームが三戸の得意なプレーを引き出したと言えるだろう。そういう意味では初先発のゲデスも、自身の特長を周囲に理解され生かし、生かされる必要があるだろう。

これで5戦負けなしで3位に浮上した新潟だが、いずれの試合も常に自分たちのリズムで進めてきたわけではない。むしろ岩手も長崎も岡山も、ボール保持率にかかわらず我慢させられる時間も短くはなかった。その中で目指す方向とブレない姿勢が結果につながり、結果がチームに勝者のマインドを育みつつある。

●スポニチ

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