J2新潟・田上の高い準備力は真のプロフェッショナル
【元アルビ・梅山チェック】5節終わった時点でわずかに1失点とリーグ最少失点だった群馬を迎えての一戦は、新潟が3―2で2連勝を飾った。
この日は、CB（センターバック）に田上、中盤の中央に高木、右SB（サイドバック）に長谷川と前節のメンバーから3人を変更。結果的にその3人が3つのゴールに直接関係するという活躍を見せた。
前半10分に谷口が決めた先制点のシーンでは、ハーフウエーライン付近のやや左に位置した田上が、ファーストタッチで相手FWのプレスを外し、右のワイドにポジションを取った長谷川にロングパスしたところから始まった。そのパスを受けた長谷川がスピードに乗って縦にも中にも行ける状態で仕掛け、カットインして4人のDFと4人のMFで構成する守備網にスルーパスを一閃（いっせん）。相手味方問わず、誰もが意表を突かれた中、谷口だけが嗅覚鋭く走り込んで生まれた得点だった。
3点目はショートCKを受けた高木のクロスを、田上がヘディングでネットを揺らした。このシーンでは多くの選手がその場で待ち構える中、走り込んできたのは田上だけだった。
とりわけ、2点に関係した田上の存在感は抜群だった。今季ほとんど出場できていなかった選手が、スタートから平然とハイパフォーマンスを披露したことは感動的でさえあった。スキルはあってもそれをコントロールするのはメンタルであり、いつ出番が来てもいいようにこの両者を高い基準でキープし続けていたことは、彼が真のプロフェッショナルであることを証明したと言っていいだろう。
試合全体の流れから見れば、終盤にかけて押し込まれる時間と2失点はいただけないものの、小見、秋山らを次々と投入するなどフレキシブルな采配を行ったことなど、松橋監督自身も経験と手応えを感じたのではないだろうか。今季の新潟の成長が続いていくことを予感させる試合であった。
●スポニチ
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