《アルビレックス新潟》悲願のJ1復帰決定 今季の強さの理由は? サッカー解説者・梅山修氏に聞く
今年の新潟がなぜ強かったのか。チームのOBでサッカー解説者の梅山修氏に伺いました。
「より攻撃的に」というスローガンを掲げ、チームの躍進に大きく貢献したのが就任1年目の松橋監督です。 今シーズン第39節現在で、チームのボール支配率はリーグでトップの59.8%。得点数、シュート数でも1位と“攻撃的”な組織づくりを進めてきました。
Q松橋監督になってチームが変化したという部分は?
〈梅山修氏〉
「攻撃のスピードがとても速い。松橋監督の前まではボールを保持することが目的になっていて、相手のゴール前でスピードがダウンする。
(松橋監督が就任してからは)中盤までボールを保持して最後の1/3でスピードが逆に上がっていく。目的を明確にクリアにしたことが今年の大きな違い」
梅山氏が象徴的なシーンとして挙げたのが9月25日のホーム大宮戦です。
〈梅山修氏〉
「大宮戦の秋山が決めたゴール。5,6人が次のところ、次のところに先に動き出しているところとか」
ホーム大宮戦では、伊藤から縦に鋭いボールが入ると複数の選手がボールに絡み、最後は秋山が押し込みました。 そして、もう一つのシーンが10月8日の仙台戦。
〈梅山修氏〉
「仙台戦のゲデスが決めた3点目。要はカウンターなんですけど、ゴールを奪って早く攻めたとき一番ゴールが生まれているのは大きな変化だと思います」
昇格を決定づけたゲデスのダメ押し弾。自陣でボールを奪ってから矢印は相手ゴール一直線。数的優位を作り出し、ゴールとなりました。 また、今年のチームを象徴するフレーズが―。
〈堀米悠斗主将〉
「“誰が出ても”同じ絵を描きながら」
〈高木善朗選手〉
「“誰が出ても”勝てているところが」
ほぼ毎試合スタメンを入れ替えながら戦った今シーズン。フィールドプレーヤー27人中、20人が得点を挙げるなど“誰が出ても活躍できる”チームに成長しました。
〈梅山修氏〉
「プレーの設計図がちゃんとしているからなんですね。いわゆるプレーモデルがちゃんとしているので、このポジションの人はどういうプレーをしたほうがいいのか。トレーニングも全体を動かしながらやっていて、そこで登場するのが監督の言葉なんだと思います。“設計図”と“全体をコントロールする監督の能力”これが明確だからだと思います」
J2で過ごした5年間。新潟が得たものとは…。
〈梅山修氏〉
「戦い方にフォーカスすることができたのが大きなメリットじゃないかなと思います。J2で戦えたことで、自分たちに矢印を向けたことで、もう一回考え直す時間になったんじゃないかと思います。自分たちの形というものを整える時間に、哲学と信念をまとめる時間になったと思います。楽しみですね、J2を圧倒してきた戦いがJ1でどこまでいけるのか」
コメント