新潟、仙台に勝利し6年ぶりJ1復帰、自動昇格2位以内確定…エース不在も20人でリーグ最多71得点
◆明治安田生命J2リーグ▽第40節 新潟3―0仙台(8日・デンカS)
新潟が仙台に3―0で勝利し、6年ぶりとなるJ1復帰を決めた。勝ち点を81に伸ばし、自動昇格となる2位以内を確定させた。引き分け以上で昇格が決まるこの試合で、MF伊藤涼太郎(24)が後半19分に先制点、同32分に追加点を挙げる活躍。就任1年目の松橋力蔵監督(54)はメンバーを固定せず、チームの力を引き出す采配で目標にたどり着いた。
今季の新潟を象徴する光景だった。その場にしゃがみこみ、目を押さえる選手が何人もいた。ガッツポーズをつくる選手もいた。6年ぶりのJ1復帰をかみしめた後、全員で肩を組んだ。きれいな円陣が揺れた。「勝って昇格という目標を達成できた。うれしいです。選手を誇らしく思います。こいつらやったな」と松橋監督は目に焼き付けた。
絶対的なエースがいない。リーグ最多の71得点を記録しながらも、最多得点はFW谷口、MF伊藤の9得点。年間42試合を戦う厳しい日程、多彩な21チームに勝ち切るためには、エースの存在が昇格の最低条件ともいわれる。その中で、就任1年目の松橋監督は今いる選手の発揮率を高め、目標にたどり着いた。
ベースは、前任のアルベル監督(現FC東京監督)が詰め込んだポゼッションサッカー。前監督のコーチを務めた松橋監督は控え選手の練習を担当したことで、特徴を把握した。メンバーを入れ替えて戦うデータを持ち、今季監督に就任した。新型コロナ禍の影響で起用が制限され、夏に主軸MF本間至恩がベルギー移籍。9月には支柱MF高木の負傷離脱があった。誰かに頼るサッカーなら歓喜の結末はなかった。20人がゴールを記録。全員で勝ち取った。
この日2得点を挙げた伊藤は「これまで積み上げてきたもの、信じてやってきたことが報われた」と話した。かつて平均4万人を超えたホームの観客動員は、J2降格後(2018年~)は半減。この日は、ホームの一戦に今季最多の約3万3000人が詰めかけ、スタンドを埋めた。北信越の雄が本来の姿を取り戻し、来季J1に戻ってくる。(内田 知宏)
◆アルビレックス新潟 1955年に新潟イレブンサッカークラブとして創立。ホームタウンは新潟市、聖籠町など。チーム名の由来は白鳥座の二重星を表す「アルビレオ」とラテン語で王を表す「レックス」を合わせた造語。チームカラーはオレンジ、青。ホームスタジアムはデンカビッグスワンスタジアム。
●スポーツ報知
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