《激戦のJ2》首位で残り5試合へ!アルビレックス新潟 3連勝もエース負傷離脱でどうなる?
サッカー明治安田生命J2リーグも今季は残すところ5試合。J1への自動昇格争いは3チームに絞られた。負けられない戦いが続く中、残り5試合の戦い方などについて、元アルビレックス新潟のレジェンドで現在営業部の野澤洋輔さんと分析する。
3連戦3連勝で首位守る 「サポーターの声援が力に」
22勝8分け7敗で首位に立っているアルビレックス新潟。今季は松橋力蔵監督の下、ボールを保持しながら果敢にゴールに向かう攻撃的サッカーに磨きをかけていて、どのポジションの選手であってもゴールを奪えるのが強み。すでに昨季の「61」得点を超え、リーグトップの「66」得点を記録している。
選手たちが力を発揮できる要因として、元アルビレックス新潟GKの野澤洋輔さんは”サポーターの応援”の力も大きいと分析する。
アルビレックス新潟営業部 野澤洋輔さん:
選手たちはアップの段階で燃えている。試合中はあの声援が力になる
前節・水戸戦振り返り 勝敗分けた“守備陣”の頑張り
37節水戸ホーリーホック戦では前節の甲府戦からスタメンを8人入れ替えたアルビ。前半から試合の主導権を握り、FW谷口海斗選手やMF伊藤涼太郎選手などの攻撃陣が相手ゴールに迫った。シュート数23本(今季最多)からも分かるように果敢に攻め込んだものの、相手GKの好セーブもあり、なかなかゴールネットを揺らせない。野澤さんはこの時間帯に”勝敗を分けたポイントがあった”と話す。
アルビレックス新潟営業部 野澤洋輔さん:
「新潟が攻めている時間帯に、ボールを奪ってカウンターを仕掛けたいという状況が何度かあったが、ことごとく切り替えを早くし、高選手・マイケル選手・デン選手の守備陣がしっかり止めて、失点を0に抑えた」
Q、相手のカウンターを浴びて1点入ってしまっていたら、そのあとの展開は違っていた
アルビレックス新潟営業部 野澤洋輔さん:
「意外とありがち。攻めていて決められない時には大ピンチが来ることがある。それを作らせなかった守備陣が勝敗を分けたポイント」
守備陣の奮闘も光り、0-0で迎えた前半37分。途中出場FW小見洋太選手の突破からチャンスを作り、最後はボランチ星雄次選手が強烈なシュートをゴール右隅に突き刺した。
アルビレックス新潟営業部 野澤洋輔さん:
「星選手は素晴らしい攻撃のアクセントになっていた。いいところにポジションを取れる良さがあるのでそれがゴールにつながった」
ストライカーが待望の17試合ぶりゴール
8月20日ホーム熊本戦以来、1ヶ月ぶりのスタメン起用に応えた星選手のゴールで均衡を破ると、今度は星選手の先制ゴールをお膳立てした谷口選手がストライカーとしての気迫を見せた。この日、何度もビッグスワンを沸かせた伊藤選手のテクニカルなトラップからのパスに反応した谷口選手がFKを獲得。キッカー堀米悠斗選手からのパスをたたきつけ、17試合ぶりとなる待望のゴールを奪った。
アルビレックス新潟営業部 野澤洋輔さん:
「デザインされた素晴らしい形だった。上から下に落ちてくる、手から逃げていくボールだったからGKとしては結構止めづらい。そこまで狙っていたかは分からないが谷口選手、いいシュートでしたね」
そのまま2点のリードを守り切ったアルビは2-0で勝利し、3連戦を3連勝で終えた。
相手監督も完敗認める「古巣としても昇格してほしい」
水戸ホーリーホック 秋葉忠宏監督: 「新潟の強さを見せつけられた。我々もこうなりたいと思わされるお手本のようなチームだった。古巣としても昇格してほしい」
試合後、対戦相手の水戸ホーリーホック・秋葉忠宏監督は笑顔でこの言葉を残した。野澤さんと秋葉監督は2003年、ともにアルビの選手として活躍しJ1昇格に貢献した。そんな盟友の熱いメッセージに野澤さんは…
アルビレックス新潟営業部 野澤洋輔さん:
「気持ちの入った秋葉監督の水戸ホーリーホックらしい最後の最後までやり続けるというところで素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた。見応えのある試合だった。さすがいいチームを作りあげるなと。それでこのコメントをしてくれるのがうれしい」
今季残り5試合…J1昇格目前でエースが負傷離脱
2位横浜FCと勝ち点差3、3位岡山と勝ち点差8の首位で残り5試合を戦うアルビ。しかし、水戸戦でチームの大黒柱・高木善朗選手が右膝前十字靱帯を損傷する重傷を負った。チームは残り5試合を高木選手なしで戦わなければならない。
アルビレックス新潟営業部 野澤洋輔さん:
「今年はメンバーを入れ替えながら戦ってきたが、高木選手の起用方法、出場試合数(時間)をみれば高木選手中心のチームを作ってきたといえる。それに応えるように高木選手もここまでチームトップの9得点を上げ、素晴らしいパフォーマンスを維持してきた。高木選手のポジションには伊藤選手が入るだろうが、攻撃の軸である高木選手が抜けた穴は確かに大きいといえる」
攻撃の軸を失う中で、攻撃陣の奮起が求められると野澤さんは話す。
アルビレックス新潟営業部 野澤洋輔さん:
「残り5試合はより攻撃的にいき、シンプルではあるが相手よりも多くゴールを奪えるかが鍵。谷口選手、鈴木選手、伊藤選手がスコアーを伸ばせるか」
そして、負傷した高木選手は自身のSNSで今後への思いを語った。
アルビレックス新潟 高木善朗選手(自身のTwitterより):
「長い離脱になると思います。ここまで新潟の為に戦った自分を誇りに思います。残り試合はみんなに任せて、サポートします!もっと強くなって帰ってきます!これからも応援よろしくお願いします!」
J1昇格に向け、勝負の1カ月を戦い抜きたいアルビ。残りは5試合…次節は25日ホームで大宮アルディージャと対戦する。水戸戦終了後のインタビューで、勝った喜びよりも既に次節へ向けた課題を口にしていた選手たち。目の前の1試合に集中する共通意識が、この位置にいる理由なのかもしれない。
熱いサポーターとクラブが一丸となり、残り5試合でJ1昇格をつかみに行く。
●NST新潟総合テレビ
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