スパイクが好き過ぎて用具係に チームを足元から支えるスタッフに密着 選手と目指すJ1昇格【新潟発】
現在J2リーグで、J1昇格に向け好調を維持するアルビレックス新潟。そんなチームの躍進を足元から支え、選手と一緒に戦うスタッフを取材した。
チームを影から支える 用具全般を管理し 過密な試合日程にも対応
8月20日、午後6時にキックオフを控えたアルビのクラブハウス。
アルビレックス新潟・玉川皓太さん:
かご台車が9台。基本、毎試合この量ですね 試合まではあと8時間ほど。オレンジのトラックいっぱいに荷物を積み込み、デンカビッグスワンスタジアムへ。 運ばれたのは、選手やスタッフが使うウェアやシューズなどの用具類だ。
アルビレックス新潟・阿部航斗 選手:
本職というか、道具のサポートもそうだし、ロッカールームやグラウンドですごくムードメーカー的な存在
アルビレックス新潟・田中達也アシスタントコーチ:
選手の時から色々お世話になっている。僕は今コーチ業をやっているが、色んな準備なども手伝ってくれて、すごくスムーズな仕事ができている
選手やコーチがこう評価するのは、アルビを影で支えるエキップメントマネージャー・玉川皓太さん。
アルビレックス新潟・玉川皓太さん:
「玉さん、めっちゃスパイクよかったです」とか、そういったことを言ってくれると、「やってよかったな」「もうちょっと何かしてあげられるんじゃないかな」とか、そういうふうに思う
玉川さんが担うのは、ポルトガル語で「ホペイロ」などと呼ばれる用具係の仕事。選手が着るウェアや試合で使うスパイクなど、サッカーで使う用具全般を管理する。
J2リーグで昇格を目指し、しのぎを削るのは22チーム。試合日程は過密を極め、その影響は選手だけにとどまらない。
アルビレックス新潟・玉川皓太さん:
琉球戦になると、荷物を飛行機で送らなければならない
4月27日に行われた、ホームの盛岡戦。そして、その3日後にアウェーの琉球戦が控えていたとき、課題となったのが荷物の発送だった。
ホームでナイターの試合が午後9時ごろに終わり、そこから試合で使った用具を片付ける。それが終わると、今度は朝6時の発送に間に合わせるため、次の試合に向けた荷物の準備を行わなければならない。
アルビレックス新潟・玉川皓太さん:
アウェーの琉球戦はおもしろい。マネージャーとしては、いつもと違うような形なので、おもしろい試合だった
“スパイク”好きが高じてこの仕事に 選手の要望に合わせ加工も
裏方として多忙を極めるこの仕事をなぜ玉川さんは選んだのか? そのきっかけは昔から好きだった「スパイク」にあった。玉川さんのクラブハウスでの仕事をのぞいてみると…
アルビレックス新潟・玉川皓太さん:
いつもGK小島選手のスパイクからスタートして、右サイドバックの選手を順番に詰めていく。平均3~4足。早川選手は2足だけ。高木選手は1人だけで7足
1試合で使われるスパイクの数は、平均30足ほど。試合が終わると次の試合に備え、スパイクを洗って磨いておくことも玉川さんの仕事だ。
アルビレックス新潟・玉川皓太さん:
「どんなプレーでこんなに汚れたのかな」とか「あのシーンでか」というのを考えながら。勝った時は特別な喜びを感じながら洗っている
アルビの下部組織出身の玉川さん。サッカー、そしてアルビが好きなのはもちろん、大のスパイク好きとして知られていた。
ユース時代のチームメート・早川史哉 選手:
高校の時同じチームで、たくさんのスパイクを持っていて、本当にスパイクが好きすぎてどうしようもない人なんだなと昔から思っていた。だから、今の仕事というのも彼にとってものすごく天職というか、本当に好きなことをやっているんだなと思う
ーースパイクは何足持っている?
アルビレックス新潟・玉川皓太さん:
10足くらい
ーー選手より多い?
みんなに言われる。「俺らよりスパイク持ってるじゃん」って
選手のパフォーマンスを上げるためにこんなことも…
アルビレックス新潟・玉川皓太さん:
スパイクの丸いポイントは体や足への負担軽減にはいい。そこにちょっと切れ目を入れて、芝に引っかかりやすくするというのを谷口選手は求めているので、これから溝を入れる
玉川さんは、様々な芝のコンディションに選手が対応できるよう、スパイクを加工することもある。
手間暇が報われる瞬間…「選手も僕も全力」みんな最高なシーズンに
そんな手間暇が報われる瞬間が、8月20日のロアッソ熊本戦で訪れた。
谷口選手のスルーパスから小見選手がダイレクトでシュートを決め、これが決勝点に。3日前に玉川さんが加工したスパイクを履いた、谷口選手のアシストだった。
陰ながらJ1昇格に向けチームを支える玉川さん。選手・スタッフ一丸で残りの試合を戦い抜く覚悟だ。
アルビレックス新潟・玉川皓太さん:
選手はプレッシャーのかかる中やらなければいけないので、少しでもリラックスできる環境をつくってあげたい。選手も全力で頑張るけど、僕も全力で一試合一試合サポートしてあげられたら、みんな最高なシーズンになると思う
●NST新潟総合テレビ
コメント