【J2「3強明暗クッキリ」】声出し応援下の新潟、メンバー大幅入れ替えのアウェイ戦「勝利」で暫定首位浮上!サポーターの激アツ声援にFW鈴木孝司「鳥肌が立って泣きそうになりました」
■大幅メンバー変更の新潟はアウェイで先行
上位陣の明暗が分かれた。
J2リーグ第31節が8月13、14日に行なわれ、台風接近の影響で首位の横浜FCはザスパクサツ群馬とのホームゲームが16日に順延された。水戸ホーリーホック対東京ヴェルディも、中止に追い込まれている。
2位のアルビレックス新潟は、14日に栃木SCとのアウェイゲームに挑んだ。松橋力蔵監督は3試合勝利から遠ざかっている状況を受けて、メンバーを大幅に入れ替えた。CBは舞行龍ジェームズと早川史哉がメンバー外で、2試合ぶりスタメンの田上大地とシーズン初出場のトーマス・デンがコンビを組んだ。
ダブルボランチは7試合ぶり先発の秋山裕紀と、2試合ぶりスタメンの島田譲のコンビである。このふたりが中盤のセントラルポジションに試合開始から並ぶのは、5月8日の15節以来だ。
高木善朗が出場停止の2列目は、右からシマブク・カズヨシ、伊藤涼太郎、小見洋太が並ぶ。シマブクはシーズン初先発、小見は18節以来のスタメンだ。1トップは鈴木孝司である。
守備時に5-4-1のブロックを敷く栃木を、どうやって崩すのか。新潟は前半終了間際の40分にその答えを示す。
トーマス・デンが相手の縦パスをインタセプトし、伊藤が敵陣中央で前を向く。短いドリブルののちに縦パスを通すと、ボールはペナルティエリア出前の鈴木の足元へつながる。
目の前にはDFがふたりいた。3人目も詰めてきた。シュートコースは見つけにくかったはずだが、鈴木は左足をコンパクトに振り抜き、ゴールネットを射止めた。背番号9は2試合ぶりの得点でシーズン8得点目とし、チームに4試合ぶりの先制点をもたらした。
「僕は決めるだけというわけじゃなかったですが、敵も見えていましたし、シュートのタイミングもコースも良かったので、時間帯も含めていいゴールを決めることができて良かったです」
■栃木SC撃破で新潟は暫定首位に浮上!
1対0のまま迎えた51分、新潟がアクシデントに見舞われる。鈴木が負傷交代したのだ。代わって矢村健がピッチに立つ。
勝負の分かれ目は、次の1点目をどちらが取るのか。新潟はボールをしっかりと保持し、選手交代をしながら得点機を生み出そうとするが、相手GKの好守もあって追加点を奪えない。
アウェイのスタジアムに、新潟サポーターの歓声が轟いたのは86分だ。途中出場のMF松田詠太郎が右サイドを突き、内側のレーンへパスを出す。走り込んできたSB藤原奏哉が、右足のワンタッチシュートをゴール左へ決めたのだった。
この試合は「声出し応援の運営検証試合」だった。3試合連続弾の右SBはゴール裏へ駆け寄り、ファン・サポーターの力強い声援を浴びた。
2対0のまま終了の笛を聞いた新潟は、4試合ぶりの勝利をクリーンシートで達成した。今節の群馬戦が火曜日に延長された横浜FCを抜いて、暫定で首位に立っている。
試合後の松橋力蔵監督は、「今日もアウェイにもかかわらず、あれだけ多くのサポーターに来ていただき、彼らの声援に押されて勝てたことを非常にうれしく思います」と話した。先制ゴールを決めた鈴木も、サポーターの後押しが支えになったと話している。
「すごいサポーターの力をもらって、アップのときに鳥肌が立って泣きそうになりましたし、アウェイにもかかわらずこれだけたくさんの方が来てくれて、勝利を届けることができて良かったと思います」
次節はデンカビッグスワンへ戻る。ホームでここ3試合勝利をつかめていないなかで、アウェイでリーグ最多の勝点を稼ぐ5位のロアッソ熊本を迎える。負傷交代した鈴木の状態も気になる。この難しい一戦を乗り越えたとき、新潟の視界はさらに開けていく。
●サッカー批評Web
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