「日本一のサポーターとJ1へ」 アルビレックス新潟 堀米悠斗主将(28歳)が語る “アイシテルニイガタ”
6年ぶりのJ1昇格。そして19年ぶりのリーグ優勝を決めた『アルビレックス新潟』からキャプテンの堀米悠斗選手をスタジオに迎え、シーズン直後の今の気持ちやサポーターへの思いを聞きました。(BSNテレビ『ゆうなび』10月24日生出演 から)
■堀米悠斗(ほりごめ・ゆうと)
1994年生まれ、北海道出身。168センチ・66キロ、利き足は左。
2017年からアルビレックス新潟に在籍し、J2降格を経験。
2020年シーズンからキャプテンを務める。愛称は「ゴメス」。J2降格とJ1昇格、どちらの瞬間もピッチ上で迎えた男。
激闘の2022明治安田生命J2リーグ最終節を終えて
大塩綾子アナウンサー)
23日に最終節を戦い終えたばかりですが、今のお気持ちはいかがですか。
堀米悠斗選手)
本当にほっとします。張りつめた中で戦ってきたので、すごく開放感があって、やっと終わったなっていう感じですね。
大塩アナウンサー)
J2優勝、そしてJ1復帰。最高の、素晴らしいシーズンを振り返って、たくさん聞きたいことはあるんですが、まずは、23日に行われた明治安田生命J2リーグ最終節を振り返ります。
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J1復帰とリーグ優勝が決まっている中で臨んだ今季ラストゲーム。
2万5000人を超えるサポーターが詰めかけ、肌寒さを吹き飛ばすような熱気がビッグスワンに渦巻きます。
アルビに勢いをもたらしたのは、20歳の三戸でした。
前半13分、スルーパスを受けると冷静に右足を振り抜き、ゴール左隅に流し込みます。
その後、町田に失点を許しますが、後半も三戸が見せます。
華麗なターンからシュートを狙いますが、キーパーに阻まれます。
そして、後半37分… 舞行龍の鋭い縦パスを受けた三戸は鈴木に預けて、ゴール前に。
技ありゴールで勝ち越しゴールを奪います。
三戸の2ゴールで勝利したアルビ、有終の美を飾りました。
試合後、堀米選手は
「ここがスタートラインだなと、ようやくアルビがいるべき場所に戻ったというだけなので。さらに上を目指す戦いが始まるんだなって」と語り
5年間共にJ1を目指し戦ってきたサポーターに対しては
「いろいろ言いたいことありますけど、一言で。『新潟サイコー!』」
さらに松橋監督は
「私も一言で。『新潟チョー最高!!』」
一緒に戦ってくれる“日本一のサポーター”とともにつかんだJ1昇格
大塩アナウンサー)
「新潟最高!」という言葉がありましたが、新潟のどんなところが最高でしょうか。
堀米悠斗選手)
やっぱり1年間、いや1年間と言わず、もうずっとですね。チームに寄り添って常にサポートし続けてくれたので、サポートなしでは、この優勝は勝ち取れなかったと思うので、本当に感謝の思いがあの言葉に全て詰まっています。
大塩アナウンサー)
松橋監督も「新潟チョー最高!」と同じような言葉を言ってましたね。
堀米悠斗選手)
超えられちゃいましたね。僕の「最高」がかすんでしまうぐらいの、「チョー最高」でみんながチョー最高だったと思います。
大塩アナウンサー)
今シーズンから就任した松橋力蔵監督ですが、松橋監督になって、より攻撃的なサッカーになったと思います。堀米選手から見て松橋監督とは、どんな方でしょうか?
堀米悠斗選手)
いや、もう本当に見た通りの誠実で熱い方で、本当に今シーズン、チームを先頭に立って引っ張り続けてくれたのは、リキさんだなと思います。
大塩アナウンサー)
そして、ホームのサポーターの前でシャーレを掲げた瞬間、改めてどんなお気持ちでしたか。
堀米悠斗選手)
本当に幸せな瞬間でした。長いことサッカーやってますけど、多分一生忘れることのできない、人生の中においても素晴らしい瞬間だったなと思います。
大塩アナウンサー)
それでは、今シーズンを振り返っていきたいと思います。 今季は『ホーム10連勝』とクラブ記録を樹立。そしてサポーターの声出し応援も一部で解禁されました。サポーターの後押しもあって『ホームで負けない』という印象もあります。
実際、ホームでの戦いはいかがだったでしょうか?
堀米悠斗選手)
本当に『不思議な力』がビッグスワンにはあると思っていて、『なんとなく負けないな』『今日も勝てるな』という雰囲気があるので、すごくホームでの試合は心強いというか、素晴らしい雰囲気で僕たちを常に迎え入れてくれるなと思います。
大塩アナウンサー)
堀米選手にとって、新潟のサポーターはどんな存在でしょうか。
堀米悠斗選手)
一緒になって戦ってくれてるなっていう、それでいて温かい、本当に日本一のサポーターだなと思ってます。
キャプテン“ゴメス”の胸のうち。ライバルは、右サイド。
大塩アナウンサー)
堀米選手は2017年、屈辱のJ2降格を経験。初めてキャプテンを任された2020年シーズンは11位と振るわず。それでも下を向かず、仲間に声をかけ続けました。
改めて昇格が決まった瞬間は、どんな思いが駆け巡りましたか。
堀米悠斗選手)
一番はやっぱり一緒に今まで戦ってきたチームメイトと、もっと新潟でプレーしたかったけど、それが叶わなかった選手たちがたくさんいますので、そういった選手たちにいい報告ができることがすごく嬉しかったです。
大塩アナウンサー)
いろんな方の思いも背負っていたと思いますが、プレッシャーなどはありましたか。
堀米悠斗選手)
プレッシャーはあまり感じてなかったですけど、とにかく「アルビをJ1にあげたい」「自分も上のステージでプレーしたい」っていう思いでやってきたので、来年がすごく楽しみでしょうがないですね。
大塩アナウンサー)
そしてキャプテンとしてプレーでもチームを助けました。
Jリーグの公式データによりますと、1試合の敵陣への平均パス数は、なんとリーグ3位。堀米選手が攻撃の起点になっていたということなんですが、今季、特にプレーで意識していたことはありますか。
堀米悠斗選手)
やっぱり前方向へのプレーというのは、すごく意識を強く持っていて。横パス、バックパスも時には必要ですけど、少しでも隙があるなら前を選ぶようにはしてました。
大塩アナウンサー)
堀米選手のポジションはサイドバックというポジションですが、私の個人的な印象ですが、ゴール前まで駆け上がる。何度も何度も駆け上がるプレーが印象的でした。
堀米悠斗選手)
右サイドバックの藤原奏哉選手がかなり点数を取ってましたので、彼に負けたくないっていう思いで、ちょっとライバル心を持ちながら、左からの攻撃も新潟の武器だと言われるように、してました。
左右の違いありますけど、やっぱり藤原選手は参考になるプレーも本当にたくさんあって、藤原選手のほうが、年齢はひとつ下なんですけど、すごく刺激をもらいながら、今年プレーしてました。
本間至恩の海外移籍、高木善朗の大けが… キャプテンの矜持
大塩アナウンサー)
そして今シーズンは本間至恩選手の海外移籍、そして高木善朗選手のけがによる長期離脱、困難な局面もあったと思うんですが、どのようにキャプテンとしてチームを支えていたのでしょうか。
堀米悠斗選手)
本間選手に関しては『早く海外に行け』と言ってましたので、単純に応援する気持ちがすごく強くて。
ただ、彼が抜けたことでチームの成績が落ちたっていうふうには言われたくなかったので、みんなで頑張るというか、そういう思いを持っていました。
大塩アナウンサー)
一方で、高木選手はずっと5年間一緒に戦ってきた選手でもあります。離脱のときはどうでしたか。
堀米悠斗選手)
やっぱり、すごくサッカー選手にとって大きいけがで、彼がここまでチームを引っ張ってくれたのは事実なので、本当にみんなでJ1に連れて行ってあげたいという思い、責任感はチーム全体、すごく強まったかなと思います。
大塩アナウンサー)
優勝、そして昇格が決まったとき、高木選手からは言葉など何かありましたか?
堀米悠斗選手)
言葉はなかったです。抱きしめてくれました、裏で。言葉はなく、抱きしめてくれて…。ちょっと来いみたいな感じで呼んでくれて、強く抱きしめてくれました。
大塩アナウンサー)
良い関係ですね。ところで「堀米選手はチームでどんな存在なのか」をサポーターの皆さんにもお聞きしました。
【サポーターから見た堀米悠斗選手は?】
「キャプテンはゴメス選手以外、考えられない。」
「本当に頼もしい存在というか、J2に落ちたときから悔しい思いをいっぱいしてると思うんですけど、いつもずっとこうやって一緒に戦ってくれて、サポーターの架け橋になってくれてる。」
「これだけサポーターが入るのも、多分、堀米キャプテンがSNSとかで引っ張ってくれてるし、スタジアムを回るときにちゃんとサポーターたちに手上げてくれるしお辞儀とかしてくれるので。」
「“#堀米選手にシャーレを”ということもあるので、それくらいサポーターから信頼されてるんじゃないかなって思います。」
堀米悠斗選手)
いや、嬉しいですね。本当に皆さん、自分もサポーターの皆さんことを愛してますけど、それ以上に本当に愛されてるなっていうふうに感じますね。
大塩アナウンサー)
堀米選手は勝ったときだけではなく、負けたときにもSNSを使って積極的にサポーターに発信しているイメージがあるのですが。
堀米悠斗選手)
そうですね。勝ったときは自然とみんな前向きに、次の試合に向かうと思いますけど、負けた試合はやっぱりひとつになれないこともあるので、そういうときはできるだけポジティブな声をかけて、またサポーターの皆さんも一緒に、次の試合に向かっていってもらえるように意識して発信はしてました。
大塩アナウンサー)
素晴らしいですね。そういう発信がサポーターの皆さんがついていきたいというふうになるんだなと思いました。
ここまで作り上げた“新潟のサッカー”を、来季はJ1で!
関根苑子キャスター)
試合前にロッカールームで、様々な言葉でチームメイトを鼓舞されてきましたけれども、元々リーダーのような役割は得意ですか?
堀米悠斗選手)
そうですね、中学生ぐらいからはずっとキャプテンをチームでもやってましたので、場数は踏んできたかなとは思いますけど。小学生時代は本当に大勢の前に入れて喋ると声が震えるような、そんな子供でした。
関根キャスター)
今のキャプテンの姿からは全然想像つかないですよね。
坂部友宏キャスター)
あのスタンドで、こうやってタオルマフラーを持って応援してる方、見えますか?プレー中。
堀米悠斗選手)
見えます。見えます。場内一周するときは、本当に自分の何かを掲げてくれてる人、できるだけ探して手を振るようにはしてます。
坂部キャスター)
うれしいですねぇ。昨シーズンは前半ものすごい勢いで白星を重ねて、ちょっと失速しましたね。今シーズン、何かシーズン中によぎるなんてことはなかったですか。
堀米悠斗選手)
そうですね。3試合連続勝ちなしのときがあって、長崎・岡山・徳島の3連戦で勝てなくて、ちょっとタイミング的にも似たものがあるなと思ってたんですけど。その次の栃木戦が『声出し応援』で勝つことができたので、あの試合はターニングポイントのひとつだなと思います。
関根キャスター)
“#ゴメスにシャーレを”というハッシュタグがサポーターだけではなく、選手の間でも使われていたようですけれども、それをご覧になっていかがでした?
堀米悠斗選手)
本当に嬉しいです。こんな僕を特別扱いしてくれて、みんなが僕のためにって思ってくれたのはすごく嬉しいですし、サッカー選手としてこんなに幸せなことはないなと思いながら今シーズンを過ごしてました。
大塩アナウンサー)
本当に皆さんに愛される堀米キャプテンだと思うんですが、来シーズンは6年ぶりにJ1の舞台で戦うことになります。決意を聞かせてください。
堀米悠斗選手)
本当にこの5年間、J2で僕たちが作り上げてきたサッカーがどれだけ通用するのかっていうのが本当に楽しみですし、もちろん厳しい戦いになると思いますけど、より上を目指して、今までアルビが見たことないところまでみんなで行きたいなと思ってます。
●BSN新潟放送
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