【新潟】今季最多3万人超のホームで6季ぶりJ1「目標達成を満喫」伊藤涼太郎、勝利呼ぶ2ゴール

日刊スポーツ
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【新潟】今季最多3万人超のホームで6季ぶりJ1「目標達成を満喫」伊藤涼太郎、勝利呼ぶ2ゴール

<明治安田生命J2:新潟3-0仙台>◇第40節◇8日◇デンカビッグスワンスタジアム J2 第40節◇8日◇デンカビッグスワンスタジアム

J2首位の新潟が2017年以来6季ぶりのJ1復帰を決めた。ホームで仙台に3-0で快勝。勝ち点を81に伸ばし、2試合を残してJ1自動昇格圏の2位以内を確定させた。序盤からボール支配率を上げて攻め込むと、後半19分と同32分にMF伊藤涼太郎(24)が連続ゴール。同ロスタイムには途中出場のFWゲデス(28)がとどめを刺した。入場者3万2979人。J2リーグ戦では5年ぶり3万人超の大観衆がチームを後押しした。

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今季最多3万人を超す観衆で埋め尽くされたホームスタジアムで選手が躍動した。後半に2得点し、勝利を呼び込んだ伊藤は「自分のゴールで昇格を決めてうれしい。今日だけは目標を達成できたことを満喫したい」と喜びをかみしめた。

今季開幕前の高知キャンプではスタッフ、選手の間で新型コロナウイルス感染症のクラスターが発生。十分に練習が積めなかったこともあり、開幕から4試合は未勝利(3分け1敗)と厳しい船出となった。だが、その後は右肩上がりに調子を上げ、クラブ新記録となるホーム10連勝もマーク。第15節(5月8日)に首位に立つと、その後は上位をキープし続けた。連敗は1度もなく、安定した戦いぶりで順調に勝ち点を積み重ねた。

コーチから初めてプロの監督業に挑んだ松橋力蔵監督(54)はアルベル前監督(現J1東京)が植え付けたポゼッションサッカーに「縦への意識」をプラス。他チームのようにゴールを量産する外国人助っ人や2桁得点を挙げる選手はいないが、総得点は昨季の61得点を上回るリーグ最多の71得点。ここまで20選手がゴールをマークするなど、どの位置からでも得点を奪える強さを発揮した。

夏にはエースのMF本間至恩(22)がベルギーリーグへ移籍。リーグ終盤では司令塔のMF高木善朗(29)が重傷を負って離脱したが、松橋監督は年間を通じ選手をローテーション起用し、チーム内競争を活発にさせて全体の底上げを進めたため、チーム力が大きく落ちることはなかった。

5シーズンという長いJ2生活で地道に力をつけ、J1の舞台に戻る。日々のトレーニングは「J1基準」。磨き上げたパスサッカーで来季、旋風を巻き起こす。【小林忠】

○…前回03年昇格時の主将だった山口素弘氏(53、現J1名古屋GM)は「やはりうれしい。お客さんが3万3000人。すごいですね」と古巣のJ1復帰を喜んだ。03年は最終節までもつれ込む大混戦だった。「僕はホームのサポーターの前で劇的に昇格を決められるなと思ってワクワクした」と当時を思い出していた。5年かかっての復帰に「J2に落ちてからの5年間が悪かったわけではない。その中で真剣に試行錯誤をしたことが今季の昇格につながったと思う」とねぎらった。そして「来年は新潟に行って対戦できる。楽しみです」と話した。

○…新潟のホーム仙台戦の入場者数は3万2979人。
J2リーグ戦で3万人以上は17年8月12日の名古屋-松本戦(豊田スタジアム)での3万1481人以来5季ぶり通算34試合目。うち新潟のホームゲームが26試合を占める。新潟のホームゲームとしても3万人以上はJ1だった17年5月14日の浦和戦(デンカビッグスワンスタジアム)での3万864人以来5季ぶり。

▽松橋監督
今日、ホームで勝って昇格達成できて大変うれしいし、選手を誇らしく思う。前半、堅いブロックを崩せなかったが、後半、いち早くリアクション取ってくれ、得点に結びつけた。やればできるという得点を重ねてくれた。これまで積み上げた強みが出せた。今日はしっかり喜んで、また、向けて気持ちを切り替えて残り2節に向かいたい。

▽反町康治日本サッカー協会技術委員長(03年昇格時監督)
J1昇格おめでとうございます。この1年間、常に安定した力を出していたのがこの結果につながったと思います。私が監督をしていた頃に一緒にピッチに立っていたのは千葉選手しかいませんが、年月を経ても、コロナ禍であってもアルビサポーターの皆さんの熱烈な応援は変わらず、12番目の選手として常にチームを支えてくれたことが昇格の大きな力になったのではないでしょうか。J1の舞台でオレンジのユニホームがピッチ、そしてスタンドで躍動する姿を楽しみにしています。

▽高木善朗(手術明けでスタンドで観戦)
「新潟らしいサッカーで安心して見ていられた。ホッとした気持ち、ピッチに立てずに悔しい気持ちがあった。J1の舞台に戻れるので、しっかりリハビリに取り組みたい」

▽NGT48大塚七海(新潟サポーターで地元出身アイドル)
昇格の瞬間、画面の前からですが喜びを共有できました。私も叫びました! J2優勝へ向け、さらに応援させていただきます。

○…前回昇格時のGKだった野沢洋輔氏(42、現アルビレックス新潟営業部員)はスタジアム貴賓室でパートナー企業の関係者とともに決定の瞬間を見届けた。
「皆さん大盛り上がり。グータッチをしまくりました」。03年は全44試合フル出場するなど昇格の立役者だった。「当時の喜びは自分のこと。今回はいい意味で人の喜び。サポーターやスポンサーさんの笑顔を見て、うれしくなりました」。
同時にOBとして「まだJ2優勝が残っている。気は抜けないはず」と後輩たちに期待を寄せた。

◆アルビレックス新潟
1955年(昭30)に新潟イレブンサッカークラブとして創部。86年に北信越リーグ昇格。94年にチーム名をアルビレオ新潟FCと改称。96年に株式会社アルビレオ新潟を設立し、アルビレオ新潟FCとして活動開始。97年に現在のアルビレックス新潟に改称した。

98年にJFL昇格。99年にJリーグに新規入会し、新設されたJ2に参加した。2003年にJ2初優勝を果たし、04年にJ1初昇格。05年にはホームの1試合平均入場者数が4万を超え、浦和を上回りリーグ最多を記録した。本拠地はデンカビッグスワンスタジアム(収容人数4万1684人)。

◆J1昇格争いの行方
J2首位の新潟の昇格が決定。J1自動昇格圏2位以内の残り1枠は9日にも決まる可能性がある。勝ち点77で2位の横浜FCは9日の大分戦に○で1年でのJ1復帰が決定。△●でも勝ち点69の3位岡山が甲府戦で△●なら、2試合を残してJ1昇格が決まる。3~6位によるJ1参入プレーオフには3位岡山と4位熊本の出場が確定している。

●日刊スポーツ

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