新潟、次節にも「J1昇格」!「右膝靭帯損傷で離脱」高木善朗の穴を埋める“J2初ゴール”21歳MFの熱い言葉「ビッグスワンで取れたのが嬉しいです」【J2「最終盤」】
■またも采配ズバリ!新潟が大宮を振り切る
首位チームが地力を見せつけた。
9月24、25日にJ2リーグ38節が行なわれ、首位のアルビレックス新潟がホームで大宮アルディージャと対戦した。
松橋力蔵監督率いる新潟は、序盤からボールを握る。最初のビッグチャンスは24分に訪れた。右膝前十字靭帯を負傷し離脱した高木善朗に代わりトップ下に入った伊藤涼太郎が、ペナルティエリア右から抜け出し、右足を振り抜く。先制点かと思われたが、わずかにゴール左へ逸れた。
前半の終盤は際どいシーンを作られた。GK小島亨介をミドルシュートが襲い、ヘディングシュートがポストを叩くシーンも作られる。
63分にもピンチを迎える。MF柴山昌也にゴール正面から左足ボレーを許し、GK小島が身を投げ出して弾き出した。
ボールは保持しているものの、なかなか前進できない状況を打破するために、松橋監督は67分に3枚替えをする。MF秋山裕紀、MFイッペイ・シノヅカ、FW鈴木孝司がピッチに立つ。これが奏功した。
72分だった。秋山が中盤で伊藤にボールをあずける。伊藤は1トップの鈴木に縦パスを入れると、ワンタッチでパスがつながっていく。テンポの良いパス交換で相手守備陣を揺さぶり、ペナルティエリア内へ入った鈴木が相手CBともつれながらボールを残すと、秋山が走り込んでいた。足を止めずにゴール前へ侵入した21歳が、プロ4年目にしてJ2初ゴールをプッシュした。新潟らしい中央からの崩しである。
■新潟の松橋監督は「いつもどおり」を強調
途中出場の選手が得点に関わるのは、今シーズン何度も見せてきた新潟の強みだ。そしてこの日も、交代選手がゴールをこじ開けた。秋山のゴールが決勝点となり、新潟は今シーズン初の4連勝を飾った。勝点を77に伸ばし、2位の横浜FCとは勝点3差で首位をキープしている。
決勝弾を決めた秋山は、試合後のフラッシュインタビューで声を弾ませた。
「ホームのビッグスワンで取れたのが嬉しいです。0対0だったので、ゴールに直結したプレーをしたいと思っていました。ここで0対0なのか1対0で勝つのかは、J1昇格に影響してくると思うので、こういう大事な試合で点が取れたのはホントに嬉しいです」
J1自動昇格は、はっきりと輪郭を帯びている。次節のモンテディオ山形戦に新潟が勝利し、3位のファジアーノ岡山が引分けに終わると、両チームの勝点差は「10」に開く。残り3試合で順位が入れ替わることはなく、新潟の2位以内が確定する。
2017年を最後に遠ざかっているJ1復帰が、いよいよ手の届くところまで迫ってきた。それでも、指揮官は泰然自若としている。試合後はこれまでと変わらない言葉を残した。
「目の前の1戦を、しっかり戦っていくだけです」
その手に歓喜をつかむまで、松橋監督のスタンスは変わらない。
●サッカー批評Web
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