【J2「混沌」】2位・新潟、6試合ぶり敗戦!大分MFに豪快ヘッドを決められ首位・横浜FCと「勝点差2」に開くも…試合後、松橋監督が「そこまで悲観的にはなっていない」と語ったワケ
■新潟は大分の守備ブロックに手を焼き…
2強が苦しんだ。
J2リーグ34節が9月3、4日に行なわれ、首位の横浜FCは下位のレノファ山口FCと引分け、2位のアルビレックス新潟は6試合ぶりの黒星を喫した。
勝点66の横浜FCを勝点1差で追いかける新潟は、ホームのデンカビッグスワンで7位の大分トリニータと対峙した。
ポイントとなったのは両サイドの攻防だ。
試合序盤は新潟のシマブク・カズヨシが積極的に仕掛けた。2列目右サイドを担う23歳が攻撃に勢いをもたらそうとするが、その右サイドから新潟はピンチを招く。大分の左アウトサイド・増山朝陽の馬力ある突破に悩まされ、19分には増山のアシストから中川寛斗に豪快なヘディングシュートを決められてしまったのだ。CBのトーマス・デンと千葉和彦が184センチの大分FWサムエルに引っ張られ、その背後から飛び込んできた中川がフリーとなってしまった。
新潟の反撃は28分、MF高木善朗の左クロスからFW谷口海斗がヘディングシュートでゴールを襲う。4-2-3-1の1トップに入る背番号7は、43分にもペナルティエリア外から右足ミドルで相手GKを襲った。
新潟がボールを保持し、大分がブロックを作る展開で試合は進み、前半は0対1で終了する。前半の新潟は6本のシュートを放ったが、大分には8本浴びている。いつもどおりに丁寧にビルドアップをしていったが、意図する形でフィニッシュへ持ち込む回数は多くなかった。
■後半は大分ゴールへ迫ったものの…
1点を追いかける新潟は、50分にMF伊藤涼太郎が際どい左ミドルを浴びせる。直後の左CKの流れから、高木も右足ミドルを放つ。
攻撃のテンポを上げていくなかで、松橋力蔵監督が63分に交代カードを切る。ボランチの秋山裕紀、2列目の小見洋太と松田詠太郎を送り込む。
ピッチ上の構図を変えたのは松田だ。右サイドからの積極的な仕掛けで相手守備陣を脅かし、77分には高木の決定的なヘディングにつながるラストパスを供給した。
83分にはペナルティエリア内へドリブルで侵入し、対峙する相手選手ともつれながら倒れる。ファウルを受けたようにも見えたが、PK獲得とはならなかった。
アディショナルタイムに入った90+3分には、谷口に代わって途中出場したFW矢村健がDFラインの背後を取る。ペナルティエリア内右からシュートを放ったが、GKに防がれてしまった。11試合ぶりの無得点に終わった新潟は、0対1で敗れてしまった。
今シーズン初の4連勝を逃し、6試合ぶりの敗戦となった試合後、松橋監督は「そこまで悲観的にはなっていないです」と切り出した。
下平隆宏監督が率いる大分も、J1参入プレーオフ圏へ食い込むには負けられない一戦だった。主力を欠きながらもやることが整理されており、後半途中からFW金崎夢生、呉屋大翔、MF町田也真人らを起用して逃げ切るパターンを確立しつつある。
それだけに、松橋監督は「選手は最後まであきらめずに1点を取りにいく姿勢を見せました。クオリティが少し足りないところはあったかもしれないが、あまり悲観する試合内容ではなかった。失点以外は相手の良さをそこまで出させなかった」と、チームの戦いぶりをポジティブにとらえている。
後半は8本のシュートを記録し、大分には1本しか許していない。試合内容が改善されたのは、数字からも明らかだ。ホームでの敗戦はもちろん痛いが、それを差し引いても前向きに受け止められる試合だったということなのだろう。
●サッカー批評Web
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