【新潟】“際”と繰り返した島田譲「突きつめないと上に行けない」修正し難敵長崎から勝ち点3を
J2アルビレックス新潟は7月23日、ホームでファジアーノ岡山に2-3で競り負けた。
1-2で敗れた同6日のジェフユナイテッド市原・千葉戦から今季初のホーム2連敗。開幕から11戦無敗(10勝1分け)としていた得意のホームで結果が出せなかった。だが、順位は依然として上位をキープ。大雨の中、最後までゴールを目指した選手たち、拍手で後押ししたサポーターの姿に胸を打たれた。「あの負けがあったから」と10月23日に言い合えるよう、残り14試合で勝ち点を積み上げ、必ずJ1自動昇格を手にして欲しい。
岡山戦。先制を許した後の前半21分、MF島田譲(31)の直接FKには鳥肌が立った。千葉戦(0-1の前半22分)で決めた同点FKと似たようなシチュエーションに、カメラを抱えていた私には予感があった(私だけではないはず)。壁に入った相手の頭をわずかにかすめたグラウンダーショットは軌道を変化させながらゴール左下に突き刺さった。「島田選手にとってあの位置はほぼPKなのか?」と思わせるような一撃。助走から左足を振り抜くところまでシャッターを押し続け、「明日の紙面の写真はこれっしょ」と心の中でガッツポーズした。
その後も島田は中盤の底からゲームを作るだけでなく、ペナルティーエリア内まで何度もランニングを繰り返し、チャンスを拡大させる。2-3の後半アディショナルタイムには右クロスに反応。左足シュートはスライディングした相手の腕に当たったように見えたが、ファウルの笛は鳴らなかった。13年にプロデビューを飾った古巣相手に奮闘するも、勝ち点をもぎ取れず、スーパーゴールの紙面掲載もまぼろしとなった。
試合後、島田は「際(ぎわ)のところ」というワードを繰り返した。「試合の入り、後半の入り、試合の終わり」。この日は全ての“際”で失点。後半43分に左CKの流れから決勝点を献上した場面については「誰か特定の選手が悪いわけではないし集中が切れたわけではない。だが、最後の際を突きつめないと上(J1)には行けない」と話した。千葉戦1-1の後半15分に決勝点を与えたシーンも左CKを1度クリアしたボールを再度ゴール前に入れられ、ネットを揺らさせた。ここからの残り試合は今まで以上に1点がゲームを大きく左右するはず。攻撃とともに守備の質をさらに向上させていきたいところだろう。
次節7月30日は敵地でここ10戦無敗(6勝4分け)の好調・V・ファーレン長崎と対戦する。4月23日の前回対戦では2-1で勝利している。島田にとっては岡山に続く古巣戦となるが「特別意識は持たず、常に目の前の相手が最強の敵と思って戦う。そこに向けて1週間、みんなでしっかりと準備をする」。課題に挙げた「際」を修正し、逆にその部分を突けるか。持ち前のハードワークと左足から繰り出す正確なキックでチームをけん引し、難敵から勝ち点3を奪ってほしい。【小林忠】
●日刊スポーツ
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