【J2「戦力差」】新潟VS長崎「ハイレベルな一戦」を制したアルビレックス「4分で2発」の逆転劇!左サイド、金髪ドリブラーのクロスから「背番号33」MFの“あうんの呼吸ボレー”決勝点!!(1)
■新潟対長崎はハイレベルな攻防に
J2リーグは4月20、22~24日開催の第11節から、5連戦に突入している。リーグ内の力関係ははっきりしつつあり、J1昇格争いとJ1参入プレーオフ圏争い、中位争い、さらにはJ2残留争いと、各チームの立場が見えてきた。
じわじわと順位をあげてきたのは、アルビレックス新潟だ。23日に行なわれたV・ファーレン長崎とのホームゲームで勝利を収め、今シーズン最高位の4位に浮上したのだ。
キックオフ前の時点では、新潟は勝点16の6位で、長崎は勝点14の10位だった。結果次第で順位は入れ替わる。新潟は3戦負けなしで、長崎は4戦負けなしの3試合連続クリーンシート中だ。
どちらも戦術的な狙いを明確にピッチ上で表現した、J2ではハイレベルな攻防が繰り広げられていった。昨シーズンの堅守を取り戻しつつある長崎に対して、新潟はキックオフ直後からボールを保持していく。しかし、最初に決定機をつかんだのは、松橋力蔵監督が率いるホームチームではなかった。17分、21分と失点の危機に直面する。
4-4-2のシステムでしっかりとブロックを組む相手守備陣の外側を、ボールが循環していく時間が続く。最初のチャンスは35分のリスタートで、イッペイ・シノヅカのFKがGKを強襲する。パンチングされたボールを谷口海斗が右足ボレーで叩くが、これもGKに防がれる。圧倒的なまでのボール支配率を弾き出しながら、前半は0対0で終了した。
■「懐へ入り込んで」新潟が逆転勝利!
新潟が攻め、長崎が守るという構図は、後半も変わらない。ボールは保持するがブロックの内側へ入り込めずにいるなかで、68分にワンチャンスを生かされた。クリスティアーノのクロスからエジガル・ジュニオがヘディングシュート──J1規格のブラジル人のホットラインにゴールを割られてしまった。
3試合ぶりに先制された新潟だが、73分に追いつく。島田譲の右CKを、右SB藤原奏哉がプッシュした。ゾーンの隙間へ入り込み、身体を投げ出して押し込んだ。
1対1に追いついたところで、松橋監督が動く。75分、シノヅカを下げて本間至恩を投入する。これがズバリ的中する。
長崎の右SB奥井諒の斜めのパスを、1トップの谷口が引っ掛ける。すぐにトップ下の高木善朗へボールがつながり、左サイドの本間へわたる。ショートカウンターが発動される。
金髪をなびかせる本間は、この試合ファーストタッチだった。それでも、迷いなく縦へ仕掛けて左足でクロスを入れる。CBの間てフリーになった高木が、左足ボレーで仕留めた。Jリーグ通算300試合目となるメモリアルな一戦で、高木は9試合ぶりとなるシーズン2点目をゲットしたのだった。わずか4分で試合を引っ繰り返した新潟が、2対1で勝利をつかんだ。
試合後の高木は声を弾ませた。
「至恩が左足を練習しているので、出したあとに信じて中へ入った結果がゴールにつながったと思います。ホントにあうんの呼吸でした」
松橋監督も選手のパフォーマンスをたたえた。
「前半はボールを握りながら、相手の懐へ入り切れなかった。後半は相手の形で失点をする苦しい展開でしたが、懐に入って崩せたのは評価できるところで、そのなかで逆転勝ちをしたのは今後につながるポイントだと思います」
5勝4分2敗で勝点を19に伸ばした新潟は、今シーズン最高位の4位へ順位を上げた。これで4試合負けなしとし、J1昇格争いに本格的に加わってきた。
●サッカー批評Web
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