[J2]開幕特集 いざ昇格 20日開幕戦

新潟日報
スポンサーリンク

[J2]開幕特集 いざ昇格 20日開幕戦

悲願のJ1昇格へ、いざ-。J2アルビレックス新潟は20日、敵地で仙台との開幕戦を迎える。J2で5年目の2022年シーズンは松橋監督を迎え、ボールを保持する昨季のスタイルを継続しつつ、ゴールへ向かう意識をより強く持ち、結果を求める。個性豊かなライバルチームは強敵ぞろい。激戦が予想される昇格争いに挑むチームを紹介する。

左からFW谷口、DF舞行龍、MF高木、MF伊藤、MF高、GK阿部

■鍵握る接戦の行方 進化へ互いに「競争」

昨季は勝ち点68で6位。J2で戦う2018年以降では最高成績だった。松橋監督は「80を超える勝ち点」を目標に挙げる。さらに勝ち点を積み上げ、昇格を成し遂げるには、接戦をいかに勝ち切るかが鍵を握る。

昨季の総得点61は、昇格した2位京都を上回り、総失点40は優勝した磐田よりも少なかった。ただ、最終盤で追い付かれた第24節大宮戦(2-2)、優位に戦いながら敗戦を喫した第32節金沢戦(0-1)など、もったいない勝ち点の失い方などもあり、磐田に勝ち点差23をつけられた。

接戦をものにするため、今季は「競争」をキーワードとしている。補強は主に攻撃陣で、抜きんでる選手はいないが、2列目には野心と特長のある若手が加わった。「互いにレベルアップできれば自然とチームも強くなる」と新加入のMF松田。開幕前のキャンプでは選手同士で要求し合う厳しい声が飛んでいたという。

昨季までの主力がほとんど残留したのも大きい。土台はできている。新戦力の融合でチーム力が底上げされれば、終盤戦の失速という課題の解消にもつながるはずだ。
ほぼ狙い通りの補強ができた一方で、チームに新型コロナウイルスの感染が広がり、キャンプを10日間停止する事態に見舞われた。練習試合が当初よりも減少したのが不安要素。実戦の少なさが、序盤戦で連係面に響く可能性はある。

今季は11月にワールドカップが始まるため、J2は10月23日が最終節で、例年より過密日程となる。さらにJ1参入プレーオフが復活。J2の3~6位がトーナメントで争い、勝者がJ1の16位と11月13日の決定戦で対戦。J1の17、18位は自動降格、J2の1、2位が自動昇格する。
最終盤まで緊張感のある試合が続く中、J1から4チームが降格し、例年よりも上位争いの激しさは増すだけに、昇格は簡単な道のりではない。それでもシーズンを通して力を発揮できれば、悲願達成も見えてくる。

■    ■

 まつはし・りきぞう 1968年8月22日生まれ、千葉県出身。2002年から指導者となり、04~20年はJ1横浜Mで下部組織の監督、トップチームコーチなどを務めた。昨季は新潟のコーチに就任。趣味はランニング、読書。(写真はアルビレックス新潟提供)

■松橋力蔵監督 選手の本能を大切に

「力(りき)さん」と親しみを込めて呼ばれる指揮官は、初のトップチーム監督就任にも気負いはない。「誠実、謙虚」と選手たちが評するように、日々の練習に全身全霊で取り組んでいる。

Jリーグが影も形もなかった小学生時代、卒業アルバムに「プロになりたい」と書いた。高校卒業時にはけがで旧日本リーグチーム入りが見送られたが、諦めなかった。アルバイトをしながら、日産自動車(現J1横浜M)の下部組織に当たるファームチームのテストに合格。後にJリーガーとなった。

子どもの頃から海外志向で、世界的名選手のヨハン・クライフが憧れ。指導者になっても影響を受けている。横浜Mの下部組織を率い、ドイツの大会でクライフと縁が深いアヤックス(オランダ)と対戦した時には、相手の指導者に片言の英語で話しかけ、サッカー観などを吸収した。

指導で心掛けるのは「選手が持つ本能を大切にする」こと。特に攻撃では選手に判断の自由を与えている。

キャンプでは昨季のスタイルを生かしながら、よりゴールに向かう姿勢や、相手の背後を狙う意識を植え付けた。昇格へ、目標は勝ち点80以上。「そこを超えることで目指すものに近づける」。まっすぐと前を見据える目に闘志が宿っていた。

2022 選手一覧

◇選手紹介の見方 順に背番号、ポジション、氏名、生年月日、身長、出身地、ニックネーム(◎は新加入、※は期限付き移籍からの復帰)

(1)GK小島 亨介(こじま・りょうすけ)
97年1月30日 183センチ 愛知県 コジ 今季から完全移籍。技術、指示、判断の良さなど総合力が高い。
(3)DFトーマス・デン
◎97年3月20日 182センチ ケニア(オーストラリア国籍) トミー 高い技術と身体能力を兼ね備える。
(5)DF舞行龍(まいける)ジェームズ
88年9月17日 185センチ ニュージーランド(日本国籍) MJ 闘志あふれるプレーを見せるベテラン。
(6)MF秋山 裕紀(あきやま・ひろき)
※00年12月9日 176センチ 群馬県 ひろき 鹿児島への期限付き移籍から復帰。正確なパスで存在感示す。
(7)FW谷口 海斗(たにぐち・かいと)
95年9月7日 177センチ 三重県 かいと 昨季チーム得点王。チーム内ではいじられキャラの一面も。
(8)MF高  宇洋(こう・たかひろ)
98年4月20日 173センチ 神奈川県 ヤン リーグ屈指のボールハンター。昨季成長した攻撃力も魅力。
(9)FW鈴木 孝司(すずき・こうじ)
89年7月25日 179センチ 神奈川県 こーじ 駆け引きのうまさが光るストライカー。昨年長男が誕生。
(10)MF本間 至恩(ほんま・しおん)
00年8月9日 164センチ 新潟市東区 ごましお 守備を切り裂くようなドリブルが代名詞。三戸と仲良し。
(13)MF伊藤 涼太郎(いとう・りょうたろう)
◎98年2月6日 175センチ 大阪府 涼太郎 浦和から完全移籍。パスもドリブルも得意のテクニシャン。
(14)MF三戸 舜介(みと・しゅんすけ)
02年9月28日 164センチ 山口県 三戸ちゃん 高い技術と戦術眼で守備を手玉に取る。ゴルフも得意。
(15)DF渡邊 泰基(わたなべ・たいき)
※99年4月22日 180センチ 新潟市中央区 たいき 金沢から1年半ぶりに復帰。左足からのクロスが武器。
(17)MFイッペイ・シノヅカ
◎95年3月20日 178センチ 千葉県(ロシア国籍) いっぺー トリッキーなプレーで観客を魅了する。
(18)DF早川 史哉(はやかわ・ふみや)
94年1月12日 170センチ 新潟市西区 ふみぞー 誰からも信頼されるチームの中心。今季副主将を務める。
(19)MF星  雄次(ほし・ゆうじ)
92年7月27日 170センチ 神奈川県 ゆうじ 最終ラインから前線までこなせる。今季からMF登録に。
(20)MF島田  譲 (しまだ・ゆずる)
90年11月28日 175センチ 茨城県 ゆず 中盤の底でチームを引き締める兄貴肌。地域貢献活動にも積極的。
(21)GK阿部 航斗(あべ・こうと)
97年8月1日 186センチ 新潟市江南区 あべちゃん 昨季の正GK。守備範囲の広さと声の大きさが売り。
(22)MF松田 詠太郎(まつだ・えいたろう)
◎01年5月20日 170センチ 神奈川県 えいたろう 年代別日本代表経験を持つ若きスピードスター。
(23)FW小見 洋太(こみ・ようた)
02年8月11日 169センチ 埼玉県 こみ ゴールに貪欲なストライカー。独特なPKの蹴り方にも注目。
(24)GK瀬口 拓弥(せぐち・たくや)
88年11月30日 187センチ 岡山県 セグ 今季から完全移籍で加入。チームメートが見習う努力家。
(25)MF藤原 奏哉(ふじわら・そうや)
95年9月9日 170センチ 山口県 そーや 昨季は右サイドバックとして覚醒。ポジショニングが抜群。
(26)DF遠藤  凌(えんどう・りょう)
98年7月6日 183センチ 埼玉県 えんちゃん 空中戦に自信。パスに磨きをかけ、定位置争いに挑む。
(28)FW矢村  健(やむら・けん)
97年6月9日 169センチ 東京都 ヤム スピードとアクロバティックなプレーでゴールを陥れる。
(29)MFシマブク カズヨシ
◎99年7月29日 166センチ ペルー(日本国籍) カズ 独特のリズムで相手守備を抜き去るドリブラー。
(31)DF堀米 悠斗(ほりごめ・ゆうと)
94年9月9日 168センチ 北海道 ゴメス 3季連続で主将。高いコミュニケーション能力でまとめ上げる。
(32)DF長谷川  巧(はせがわ・たくみ)
98年10月6日 179センチ 新潟市西区 ハセタク ダイナミックなプレーで右サイドバックの定位置を狙う。
(33)MF高木 善朗(たかぎ・よしあき)
92年12月9日 168センチ 神奈川県 よし 攻撃の大黒柱。SNSでサポーター向けの発信にも積極的。
(35)DF千葉 和彦(ちば・かずひこ)
85年6月21日 183センチ 北海道 ちばちゃん チーム最年長は、ムードメーカーであり、精神的支柱。
(39)GK西村 遥己(にしむら・はるき)
◎03年4月19日 187センチ 埼玉県 - 体の強さとスピードが武器で、シュートストップが特長。
(47)MF吉田 陣平(よしだ・じんぺい)
◎03年5月6日 170センチ 新潟市江南区 ぺい 高いキープ力と意表を突くパスでゴールを演出する。
(50)DF田上 大地(たがみ・だいち)
93年6月16日 180センチ 千葉県 大地 今季から完全移籍。身体能力を生かした守備と得点感覚が武器。

■上位争い 難敵ぞろい

 新潟の前に立ちはだかる強力なライバルたち。特にJ1から降格した4チームと、昨季新潟よりも上位だった3チームを中心に、上位争いが展開されそうだ。
新潟が開幕戦で対戦する仙台は、J1鹿島から移籍したMF遠藤ら経験豊富な選手が加わった。天皇杯準優勝の大分は前新潟のFW渡邉ら主力の多くが残留。横浜FCは大きく選手が入れ替わったが、J1チームから補強に成功した。スペイン人のポヤトス監督率いる徳島はチーム力が高い。
J2昨季3位の甲府は前シンガポール代表監督の吉田氏が復帰した。同4位の長崎はJ1柏からFWクリスティアーノを獲得するなど攻撃陣を強化。同5位の町田はポポビッチ監督体制3年目で戦術が浸透している。昨季新潟より下位だった山形や千葉なども手強い。
 ●新潟日報

Follow me!

コメント

PAGE TOP
タイトルとURLをコピーしました